古いもののお話 Vol.7 ADERIAグラス

 

ADERIA(アデリア)グラス というガラスブランドがあります。

石塚硝子株式会社という、愛知県にある会社のもつブランドです。

石塚硝子は創業1819年。190年以上の歴史を持つ老舗企業。

 

オランダから長崎にガラスの製法が伝わるとともに、

創業者の石塚岩三郎はガラス製品の研究開発をはじめます。

薬瓶、ランプや電球、牛乳瓶やビール瓶。

やがて家庭用 ガラス食器の開発も手がけます。

 

そして、日本で初めて、ビール瓶に色を着ける技術をつかって

琥珀色のカップ&ソーサーをつくったのがこの会社です。

 

1970年の当時、その琥珀色のカップ&ソーザーは大流行しました。

その後は時代の流れで、アデリアシリーズの一部は 製造中止されていたのですが、

2003年 60VISION (※1) に参加する際に、アデリア60としてカップ&ソーサーが復刻されました。

そんな老舗ガラスメーカーが

アデリアのシリーズとして、ルーマニアから輸入販売していたシャンパングラス。

今では販売されていない、貴重なシャンパングラスです。

 

手作業で、一つ一つに色つけがされていて、ステンドグラスのような美しさがあります。

1つとして同じ柄はないグラス。

特別な日にこのグラスでシャンパンを飲む。

より贅沢な時間を味わえそうです。

 

Photo & Text /  Seiko ANNOURA

 

※1 

60VISIONとは、

1960年代に誕生し、惜しくも廃盤となってしまった"シンプルで質の良い製品"を、

企業のものづくりへの思いとともに復刻させるというプロジェクトです。

http://www.60vision.com/