鉄のボディーに英語の文字、アンティークミシンのフォルム。
あるだけで雰囲気があって、そのままお家のインテリアとして、またお店のディスプレイとして使われてます。足踏みミシンの鉄の脚を使った机も人気がありますが、ミシン作業の脚だけあって見た目だけではなくしっくりくる高さと鉄の安定感は納得いきますね。
私の家には現役の昭和初期のアンティークミシンがあります。私のミシンは足踏み式に電動モーターが取り付けられてますが、シンプルな構造は変わりません。出会ったときからずっと変わらずかわいい相棒です。
わたしの場合は縫うためのミシンとしてアンティークミシンにたどり着きました。
直線しか縫えないのですが、その分縫い目が安定していて綺麗なんです。縫う速度も自分の感覚が伝わりやすいですね。
そのミシンがある日突然動かなくなったことがありました。
とりあえず自分で直せないかと調べると
まず掃除だと言うのです。そして油を頻繁にさせと。
いやいやそんなことで止まった感じではない、昨日まで動いていたんだから!
とりあえず針が下糸を持ち上げてくる場所の蓋をあけたら確かにゴミがある。
そういえば頻繁に油をさしていた訳じゃない。
そして半信半疑で動かしてみると、なんと縫い始めた!
え?そんなこと?!まさかもっとかまえと?
ADERIA(アデリア)グラス というガラスブランドがあります。
石塚硝子株式会社という、愛知県にある会社のもつブランドです。
石塚硝子は創業1819年。190年以上の歴史を持つ老舗企業。
オランダから長崎にガラスの製法が伝わるとともに、
創業者の石塚岩三郎はガラス製品の研究開発をはじめます。
薬瓶、ランプや電球、牛乳瓶やビール瓶。
やがて家庭用 ガラス食器の開発も手がけます。
そして、日本で初めて、ビール瓶に色を着ける技術をつかって
琥珀色のカップ&ソーサーをつくったのがこの会社です。
1970年の当時、その琥珀色のカップ&ソーザーは大流行しました。
その後は時代の流れで、アデリアシリーズの一部は 製造中止されていたのですが、
2003年 60VISION (※1) に参加する際に、アデリア60としてカップ&ソーサーが復刻されました。
そんな老舗ガラスメーカーが
アデリアのシリーズとして、ルーマニアから輸入販売していたシャンパングラス。
今では販売されていない、貴重なシャンパングラスです。
手作業で、一つ一つに色つけがされていて、ステンドグラスのような美しさがあります。
1つとして同じ柄はないグラス。
特別な日にこのグラスでシャンパンを飲む。
より贅沢な時間を味わえそうです。
Photo & Text / Seiko ANNOURA
※1
60VISIONとは、
1960年代に誕生し、惜しくも廃盤となってしまった"シンプルで質の良い製品"を、
企業のものづくりへの思いとともに復刻させるというプロジェクトです。
http://www.60vision.com/
レトロなガラスって、なんとも魅力的です。
ガラスの食器や容器は、保存にも向いているし、汚れも落としやすい。
実用的な機能性を持ちつつの 様々なデザインにぐっときます。
大きめのガラス保存瓶は、
梅干しや、梅酒、米、乾物などの、食品保存にもよく使われますね。
キッチンに 梅酒や梅ジュースの瓶がいくつも並んでいる。それだけでウキウキします。
紅茶やクッキーを入れて 並べるのもいいですね。
ガラスのキャニスターを 食品保存などで実用的に使うのも良いですが、
木の実や植物を入れると、ステキなオブジェになります。
小さな多肉植物や観葉植物を入れて、ミニ温室にしても素敵です。
キラキラとしたクリスタルのような 透明度が高いガラスはとても美しいです。
でも、私は うっすらと色味を感じる、クリア過ぎないレトロガラスに惹かれます。
カッティングのある豪華なガラスも素晴らしいですが、
我が家に置くのなら、素朴で あまり飾りがないものが良い。
シンプルで 厚みのある ぽってりとした古いガラスが好きです。
レトロな薬瓶や保存瓶には、独特の魅力があります。
分厚いガラスに少しの気泡が入っていたり、表面のシワやゆらめきがあったりするのも個性。
それも魅力の一つです。
お陽さまにキラキラ光る様子や、その後ろにできる影もまた面白いです。
これからの季節、ガラスに水を張り、少しのグリーンを飾ります。
きっと、あなたの部屋を今よりちょっと涼やかにしてくれると思いますよ。
Photo & Text / Seiko ANNOURA
私たちの暮らしの中で、とても身近な古道具と言えば「食器」ではないでしょうか。
我が家は古道具屋なので、食卓に並ぶ食器も自然と年月を経たものが多くなります。
漆のお椀、絵付けのお皿、豆皿、ぐい呑み・・・。
ちゃぶ台の上に並べたら、いつの時代の食卓かしら?と思う時もあります。
決して平成の食卓の風景ではありません。
写真にある絵付けのお皿。
ひとつひとつ歪んでいて、色もまちまち、色がかすれているところもあります。
そして、重い。運ぶのも、洗うのも、拭くのも一苦労。
技術の進歩は、軽さへの進化とも言う言葉にもうなずけます。
なんとも重く、ゆがみのある不器用な印象の印判のお皿。
それなのに、料理を盛り付ける時に自然と手に取ってしまうのは、何故でしょう。
痛みも、汚れも、歪みも、何とも不思議なこの魅力。
Photo & Text / Chie ENDO
Before
after
古い木箱などその色合い年月を重ねたよさがあります。
傷も込めて好きになったりするのですが、塗りが擦れて部分的に白くなってしまいすぎていると明るいところでは薄汚く見えたり、周りの新しいものとあわないなと感じる時があります。
そう感じた時から、好きではなくなっているのではないでしょうか。
塗り直すときれいになるかも知れないけど別の物になってしまう。
長年の積み重ねた感じは残したい。
今回は柿渋の天然塗料を使ってほとんど変わりはしないけど白さを減らしてみました。
何回も薄い色を塗りかさねる。
全体を同じ感じで塗りかさねると白さはなくなるけれど、擦れてない色の部分はさらに濃くなってしまうので、擦れがひどい部分には色をのせる感じでとんとんとん。
境目ができないように擦れてないところとはほとんど水のような薄めた液でなじませる感じで全体にあわせる。
塗って乾かして塗って乾かして‥面倒くさいようだけれど乾かしている間に別のことをしてればいいし、気にかけてしまえばだんだん楽しくなっていくはずです。
ちょっとしたお手入れでまた好きになる。お手入れするからまた好きになるのかもしれないですね。
ハマるといろんな物の擦れが気になってくるのでそれはそれでお気をつけください。
Photo & Text / Takako BANSHO